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超スペクタクルインド英語『RRR』感想

超スペクタクルインド映画『RRR』

先日、家族3人で『RRR』をみてきた。以前ブログで紹介した『バーフバリ』のラージャマウリ監督の最新作ということで、3人で見に行けるタイミングを見計らっていたのだ。

私は割と語彙力には自信がある方なのだが、見た直後は「すごかったね」以外の感想を言うことができなかった。いや、ほんとにすごかった。前回の『バーフバリ』でインド映画耐性はできたし、今回は絶叫上映でもないからあの時ほどの衝撃はないだろうと思っていたのだが全くそんなことはなかった。昭和の少年ジャンプ要素がギュッと濃縮されたような「友情!」「努力!」「勝利!」の物語であり完全懲悪(あえて勧善ではなく完全を使用した)のストーリー展開はみているだけで清々しく、日頃の様々なモヤモヤを吹き飛ばしてくれ、観賞後は無性に焼肉が食べたくなるような映画だった。

この時点で「映画館にいってみようかな」と思った人は、今すぐこのブログを閉じて劇場に走るべし。何の前情報も仕入れずみた方が楽しめる。(長いからトイレには行っておこう。)

みてもいいけど映画館じゃなくてもいいやって考えている人はこのブログを読み進め、ちょっとでも「映画館にいってもいいかな」と思えた時点でブログを閉じて劇場に向かってほしい。そんな訳で『RRR』の魅力をネタバレしないレベル(公式公開されている部分だけ)を紹介していく。

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上映時間がすごい

上映時間188分、3時間以上である。バーフバリが2時間くらいだったのでそれよりさらに長い。正直私も「3時間の映画みてられるかな」と不安であった。アラフィフに足を踏み入れてからというもの、自覚できるくらいにトイレが近くなったからだ。夏に『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』を一人で観に行った時も、うっかりコーラを飲みすぎたせいで90分くらいだったにも関わらず途中で離席した。3時間なんて絶対にもたない…ということで途中退席しやすいよう、出入り口に最も近い座席を取った。朝から紅茶は飲まないようにし、コーラもLではなくMサイズにするなど万全の対策をして臨んだ。

その甲斐もあったのかもしれないが、途中でトイレに行きたいと思うことはなかった。むしろ尿意を感じる暇もないくらい3時間があっという間に過ぎてしまった。常に予測不能の演出が入るため、次はどんなことが起こるのかとスクリーンから目が離せなかったし、30分おきにクライマックスレベルの盛り上がりが訪れるので飽きることもない。3人ともポップコーンを食べることも忘れるくらい集中してみていた。(今、我が家の冷蔵庫には持ち帰ってきた大量のポップコーンが眠っている。)

上映時間が長すぎるという理由で映画館に行くことを躊躇している人は、びっくりするくらいあっという間に時間が過ぎるので、心配せずここでブログを閉じて劇場に向かってほしい。トイレが不安な人は出入り口に近い座席をとるようにしよう。

ダブル主演がすごい

前回作の『バーフバリ』の主人公が圧倒的なカリスマ性を持つ王であったため、あれと並ぶような主人公はもう生み出しにくいのではないかと思ったが、そんなことはなくダブル主演でヒーロー性も二倍になった。

今回の主人公は英国人に拐われた少女奪還のためにやってきたビームと英国政府の警察であるラーマ。ビーム(不器用&純朴な弟キャラ)とラーマ(賢い世話焼きお兄ちゃんキャラ)は、対照的なようでありながら根っこは同じ熱い漢。そんな二人はガンジス川で起きた事故現場で、共に人命救助を行ったことにより親友となる。ちなみに、クライマックスシーンのようなこのバンジージャンプアクションは、映画開始から30分くらいしかたっていない、冒頭のシーンである。

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ビームはインドの叙事詩『マハーバーラタ』の怪力の英雄ビーマ、ラーマは叙事詩『ラーマーヤナ』のラーマ王子が由来となっている。つまりインドの二代叙事詩の英雄二人がモチーフになっているのである。これは強いのも納得だ。

悪役がすごい

英雄のかっこよさを引き立たせるのは悪役だ。今回の悪役は英国領インド帝国総督夫妻である。実在する国だし悪役とは言ってもそこまで酷くは描かないだろうと思ったが完全悪だった。特に妻のキャサリンはヒロイン二人よりも圧倒的に存在感があり、個人的には『RRR』における女優MVPはキャサリンだと思っている。実在した英国人総督という存在を、冷酷無比で残虐非道な極悪人として描くことにより「歴史関係なく、こんな人物だったらコテンパンに打ちのめすしかないよね♪」と観客を納得させ、イギリスからの反感を封じ込めるという狙いがあるのかもしれない。

この総督夫妻を演じているのがアイルランド系イギリス人というのがなかなかに味わい深い。

ダンスがすごい

インド映画といえばダンスである。しかし今回は『バーフバリ』や『踊るマハラジャ』と比べるとダンスシーン自体は少なかった。インド映画特有のお着替え・舞台転換つきの長いダンスシーンも劇中ではなかった。しかしその分、密度が濃かった。一度聞いたら忘れられない「ナートゥ、ナトゥ、ナトゥ…」という調子の良い歌に合わせて繰り広げられるダンスバトル。人間のものとは思えないくらいの速さで高速にくねくねと手足が動くナートゥダンスは圧巻だった。

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アクションがすごい

ダンスと並ぶインド映画の醍醐味は大迫力のアクションである。バーフバリは古代&ファンタジーであったからこそ、ツッコミが間に合わないくらいの何でもアリな感じの戦車や武器が登場したし、大軍を率いた城攻めという大迫力の戦闘シーンを描くことができた。それに対し、今回は時代は近代、英国に植民地として統治されているインドが舞台である。史実的なことを考えるとそんなに派手なアクションはないかも…と思ったがそんなことは全くなかった。むしろ予算が増えた分、超えてきた。これはあくまで映画であり、フィクションの世界。史実に基づいた描写なんて必要ないのだ。この動物大パニックシーンをみた時、私は声が出そうになった。

株式会社ツイン

このシーンを見るためだけにでも、映画館に足を運んでほしいと思う。(ちなみにここも本当のクライマックスではない。)

伏線がすごい

アクションとダンスが話題になりがちなため「インド映画=大雑把」というイメージがあるかもしれないが、、実は様々なところに伏線が仕込まれておりそれがクライマックスに向かうにつれ明らかになるという丁寧で細やかな所もある。最初の方でビームとラームが仲良く肩車をして遊んでいるシーンがあるのだが、それが後半のバトルシーンにつながっていたりする。

観賞後に「あれはここの伏線だったのか!」と気づき、再度みたくなる。インド映画の視聴者は複数回リピートしてみる人が多いのもこれが理由なのではないかと思う。

長々と語ってきた映画『RRR』の魅力。少しでも伝わった人はぜひ、映画館で観てほしい。

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2022.11.6投稿

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