水槽から飛び出した金魚が、死んでしまった。朝一番に水槽を見た時には、まだかろうじて息をしていたが完全に横に倒れてしまっていた。私が覗き込むと、餌をもらおうと弱々しく尾びれを振ってなんとか水面に向かおうとするが、全く泳げていない。その姿が痛々しく、もう無理しないでいいから…と私も覚悟を決めてはいたが、やはり悲しい。

死んでしまったのは、一番気が強かったオグロちゃんのようだ。ブチが病気から回復し（飼い始めた時は病気で体色が落ちていた）、ぶち模様でなくなってしまって以来、私にはいまいち判別できなかったのだが、ななちにはわかるらしい。

ななちと二人で先代達が眠るサルスベリの木の下へ埋めて弔った。飼い始めて一年と2ヶ月ほど。元気いっぱいに何の問題もなく育っていたのに、私の不注意で死なせてしまった。ちょっと水位が高かったなと思った時、すぐに水を減らしておけば防げた事故だった。そう思うと悔やまれてならない。ななちも、ななちで、水換えから餌やりまで、世話を完全に私に任せきりにしていたことを反省しているようだった。

昨日はオグロちゃんと一緒に水底でおとなしくしていたブチちゃんが、今日は一日中落ち着かない様子で泳ぎ回っている。金魚も心配したり、喪失感を感じたりするのだろうか。そんなことある訳ないと一笑されそうだが、この二日間のブチちゃんの反応をみていると、私たちが思っている以上に、金魚にも知能があるのじゃないかなと思ってしまう。今はブチちゃんに対し、ごめんね…という申し訳ない気持ちでいっぱいだ。