絵本レビューとWwbと…

『おばけやしきへようこそ!』(偕成社)

本日はハロウィンということで、おばけの絵本を紹介。スウェーデンからやってきた絵本『おばけやしきへようこそ!』は、そのタイトルの通り、おばけやしきを訪れた女の子の物語である。表紙に描かれているのは、森の奥深くにある、いかにもおばけが住んでいそうな洋館とそこへ入って行こうとする小さな女の子の姿。ビビリのななちは「ちょっと怖そうなんだけど…。」と言いつつ、女の子は大丈夫なのかしらと気になったらしくページをめくっていた。

森で迷子になってしまった女の子は、森の奥にそびえ立つお屋敷に一晩宿を借りることに。喜んだのは屋敷に住むおばけ達。めったに人間なんかやってこないため、自分達の恐ろしさを発揮することができなかったおばけたちは、またとない機会がやってきたと、あの手この手で女の子を怖がらそうとする。ところが、このおしゃまな女の子はなかなかの強者で、なかなか思うような反応をしてくれない。魔女のスープは「気にいるとは思えないの。」と丁重にお断り、ライオンは「かわいいねこちゃん」呼ばわり、とっておきの幽霊の部屋では幽霊を寝具がわりにしてしまう。飄々とした女の子とヤキモキする魔女、そしてなんとか怖がらせようとするおばけたちの必死な姿が楽しく描かれている。怖がらそうとするくせに、晩ごはんにサラミまでつけてくれたり、みんな揃って朝ごはんを食べたりするおばけ達はとても愛嬌がある。コミカルなストーリーと表情豊かなおばけ達の絵がマッチした楽しい「おばけ絵本」である。

2013.10.31投稿

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