さよなら塩トンコツ
子供の頃、九州にある父の実家に帰るたびに連れていかれるお決まりの店があった。そこのラーメンは麺が細く、スープは真っ白の典型的な九州塩トンコツラーメンだった。これこそが一番美味しいラーメンなのだと教えられて育ったため、私にとってラーメンと言えば、塩トンコツだった。
しかし、この十数年で塩トンコツラーメンは姿を消しつつある。東京の醤油ベースのラーメンと九州ラーメンが合体した醤油トンコツが台頭してきたためである。確かに醤油トンコツも悪くはないが…やはり私はトンコツの濃厚なコクに合うのはあっさりとした塩味であると思う。今では白いスープのトンコツラーメンを探すのはなかなか難しい。
昨年、ななちと映画を見に行った帰りに何気なく入ったラーメン屋で、まさに私の理想とする塩トンコツに出会った。細麺でスープは真っ白、しかも替え玉無料!!以来そこは私とななちの行きつけとなり、映画やヘアカット、ショッピングの帰りには必ず立ち寄っていた。
ところが今日、お昼を食べに行ったら、店内に悲しいお知らせがあった。今月末で横浜方面に移転してしまうとのこと。「なんてこと…!」ななちと二人でショックを受け、食べおさめだと替え玉に加え角煮丼まで頼んでしまった。おかげでちょっと胃もたれ気味だが、気持ちは満たされた。ありがとう、柳家。
気を取り直して、今年からまた塩トンコツ探しの旅をするとしよう。
2013.1.12投稿