『劇場版シティーハンター〜天使の涙』感想
ママ友と高校のイベントに参加した帰り道、ひょんなことからTM NETWORKの話題になって「シティーハンターのエンディングテーマ大好きだったんだよねー」と話したら彼女もアニメを見ていたという。そんな訳で半ば強制的に誘う形で『劇場版シティーハンター〜天使の涙』を一緒に観てきた。
あらすじ
裏社会随一の実力を持つスイーパー、冴羽獠。彼は相棒の槇村香と共に「シティーハンター」として様々な依頼を受けているが最近は開店休業状態が続いている。久し振りに来た依頼は、動画制作者を名乗るアンジーからの「迷子になった猫を探して欲しい」というものだった。内容の割に高額な報酬に若干の違和感を感じつつも猫探しに奔走する二人。アンジーと行動を共にする中で、獠は彼女が何者かに命を狙われていることに気が付く。アンジーの正体と真の目的、それは獠の養父「海原神」と禁断の麻薬「エンジェルダスト」に深い関わりがあった。
ギャグシーンは昭和のまま
献血ポスターに巨乳のアニメキャラが掲載されただけで炎上する昨今である。エロなくしては成り立たないシティーハンターのギャグシーンは果たしてどうなるんだろう…と心配していたが、そのままだった。コンプラコンプラとうるさい令和の時代に「もっこり(はあと)」からの香ハンマーをみることができるとは…。
終盤はハードボイルド
出会い系アプリで美女を漁ったりアンジーのお尻を追っかけたりと昭和コンプラのまま好き勝手する獠だが、アクションシーンではハードボイルドないい男に切り替わる。映画導入部のやりすぎ感のあるギャクパートも、終盤のシリアスで重たい展開とバランスを取るためのものなのかもしれない。このギャグとシリアスの落差が激しいのもシティハンターの魅力であると思う。
友情出演いろいろ
劇中には『キャッツ・アイ』の三姉妹だけでなく、あの天下の3代目大泥棒や昭和世代にはお馴染みの迷子猫など他作品のキャラクターがちょこちょこと友情出演している。色々さがしてみよう。
海原神の登場
アニメ版「シティーハンター」は子供が見ることを想定して制作されていたため、原作ストーリーの肝となる麻薬「エンジェルダスト」に関する設定は省かれていたのだが、今回の映画は「アニメ版の最終章」という位置付けとなるため、原作におけるラスボスを出す必要があった。そんな訳で獠の養父であり、麻薬密売組織「ユニオン・テオーペ」の首領でもある海原神(cv堀内賢雄)が満を持して登場。
原作を読んでいる民からするとようやくか!といった感じだが、原作未読の友達は「獠の父親?」「強化人間??」「こんなシリアスな設定あったの???」とストーリーの重さと展開の速さに圧倒されている感じであった。
声優陣はそのまま
キャストは冴羽獠の神谷明さん&香役の伊倉一恵さんをはじめ、アニメ放送時と同じメンバーとなっている。友情出演のキャッツ・アイも泪姉さん以外は当時のままだった。テレビアニメの放送から35年の歳月が流れているにも関わらず、皆さん現役で活躍されているのはすごいと思う。ただ、女性キャラクターに関しては若干声の質に年齢を感じるシーンもあり、当時の声優さんが続投してくれるのは嬉しい反面、キャラクターとキャストの年齢の差が開きすぎてしまう弊害もあるなと感じた。
エンディングはGet Wild
エンディングテーマは当時と同じくTM NETWORKの「Get Wild」。ラストシーンからイントロがフェードインし、最後のカットが静止画となり、その一枚絵が引きながらエンディングロールに突入というシティーハンターならではの演出に痺れた。「Get Wild」はシティーハンターの世界観見事に歌い上げた名曲だと思う。
シアターを出るとアスファルトタイヤを切り付けながら走りだしたくなった人向けに、新宿の夜景顔出しパネルがあった。もちろん撮影してもらった。(つきあってくれたママ友には感謝しかない。)
きまぐれ映画レビュー
2023.10.2投稿