日曜日の深夜、日付が29日に変わったくらいに突然iPhoneにApple IDにログインし直すようポップアップが表示された。設定画面をみるとアカウントのところに「Apple IDをアップデート」という通知が出ている。確認すると「サインインし直すアカウントサービスがある」とのこと。

パスワードを要求されるのでいつものように入力してサインインをタップ。

すると「確認できません−このApple IDは有効ではありません」との表示がでてログインすることができない。何度やり直しても同じエラーが表示される。

スマホアプリの障害かと思い、PCの方からicloudにログインできるかを確認したところ同じく「無効なApple ID」とのエラーでログインができない。私のApple IDに障害が起こっていることが確実になった。

2ファクタ認証を設定しているため、パスワード変更などApple IDに関する操作がされたらSMSで通知がくるはずである。勝手にアカウントが削除されるなんてことはないはずだ。だとするとApple側で障害が起こってる可能性が高い…とAppleのシステム状況を確認したところ、apple MusicやApp Storeでの障害が報告されているが全て解決済みとのこと。私に起こっているApple IDの障害は報告されていない。（その後、何度かアクセスして確認したが掲載はなかった。）

おまけに夫やななち、母のApple IDには問題が発生しておらず、私だけに障害がおこっている。こうなってくると、やはりアカウントがハッキングされているのではないかという不安がこみあげてくる。パスワードリセットをした方がよいのだろうかと焦りだしたところ、X(Twitter)で同じような障害が起こっている人がいるっぽいと夫が教えてくれた。トレンドワードにあがるくらいには同じような障害の報告があがっているのでApple側の問題とみて良さそうだ。そうであれば焦ってパスワードリセットなどはしない方が良いだろう。翌朝には復旧していますようにと願いながら就寝。

翌朝、ドキドキしながらログインを試みるがダメだった。Xでも障害は続いていているとの嘆きの声がちらほら。Appleもユーザからの報告で対応しているっぽいとのことなので気長に待つ。

幸い仕事で利用しているサービス（Adobe、Dropbox、Microsoft）はアカウント連携せずに使っているのでApple IDが利用できなくてすごく困るということはなかった。パスワード管理の面で便利なアカウント連携だがこうした障害が起こった時には連携先のサービスまで死ぬので注意が必要だ。

同日の昼過ぎ（15時ごろ？）、icloudメールの着信がありアカウントが復活していることに気がついた。設定画面の「Apple IDをアップデート」をタップするとパスワードを入力画面すら出ずに勝手に復活。Appleからその件についての連絡メール等はなかったし、Appleのシステム状況サイトにも29日の障害報告はなかった。いったい何だったのか…。

そして今朝である。朝6時頃に起きてiPhoneを見るとこの前の同じ「Apple IDをアップデート」の通知が。しぶしぶパスワードを入れると「確認できません−このApple IDは有効ではありません」のポップアップ。（デスヨネー）

後でまた確認しようととりあえず放置。お弁当などを作り、7時過ぎに再度確認したところアカウントは何事もなく復活していた。Appleのシステム状況を確認したところ、今回の障害は「一部のユーザに影響があった障害」として掲載されていた。

今回の障害についてX（Twitter）に「icoudになる前の「mac.com」、「me.com」のアカウントを使用しているユーザが引っかかっているのかもしれない」との情報があった。それならば我が家で私だけが障害を受けているのも納得だ。

Appleのアカウント変遷

2002年にAppleは「.mac（ドットマック）」というアカウントサービスを開始した。有料で「＠mac.com」のドメインメールが使えるというサービスで、私はその時にアカウントを作成した。その後「.mac」の後継として個人向け有料クラウドサービスのMobileMe（モバイルミー）が誕生し、「.mac」利用者は「.me」も同じアカウントで利用できるようになった。そして2011年にMobileMeがicloudに生まれ変わったことにより、.macおよびMobileMeのアカウントはicloudに自動統合された。

こうした経緯から古参ユーザは.mac、.meそして.icloudの三つのアドレスを併用している人も多い。私のApple IDは「icolud.com」であるが「mac.com」および「me.com」宛のメールも受信することができている。（全てicolud.comのメールボックスに届く。）

Apple Musicのログイン通知

今回の障害の「一部のユーザ」が、先に述べた「.mac、MobileMe、icloudを併用している古参ユーザ」ではないかと感じたのが、今朝きたApple Musicの再ログイン通知である。

Apple Musicの前身「iTunes」ができた時、私は.macのアドレスで利用登録をした。そのためiTunesがApple Musicに移行した後もログイン時にはそのまま.macを使用しており、永らくApple IDは.icloudだがApple Musicは.macという状態で使っていた。特に問題なく使えていたのだが今朝になってApple Musicから再度パスワードを入力しろとの通知が来た。よく見るとIDのアドレスはicloudとなっている。パスワードを入れるとApple Musicのアカウントもicloudのアドレスで設定された。

もしかしたらAppleは古参ユーザが使用している「mac.com」および「me.com」のドメインを廃止して「icloud.com」に一本化しようとしているのかもしれない。今のところ「mac.com」および「me.com」のメールの送受信はできているが突然廃止ということも十分あり得るので、外部サービスで利用しているAppleのメールアドレスはicloud.comに一本化しておいた方が良いかもしれない。