bingと話そう
MidjourneyやChatGPTなどAIを使用したサービスが一般に普及しつつある中、個人的に注目しているのがbingの会話型検索である。AIを駆使した検索エンジンで「ユーザの意思決定を支援する次世代検索サービス」として注目を集めている。
bingの特徴
bingの会話型検索はチャット形式で対話しながら検索内容を絞り込んでいく点に特徴がある。例えば「新宿でランチしたい」と検索すると、新宿周辺の色々なジャンルのレストランを挙げた上で、どういったジャンルのものが食べたいかを聞いてくる。(この時はなぜか個人的なおすすめとしてカレーうどんを推された。)
そこで「軽く食べられるものがよいと」と条件を加えたところ、カフェや軽食を扱っているカジュアルレストラン等をいくつかピックアップして提案してきた。なのでさらに「サンドイッチが食べたい」と具体的なメニューを告げると、駅近でサンドイッチが美味しいお店を答えてくれた。
このようにユーザの漠然とした要求に対して、関係のありそうな情報やアイディアなどを対話形式で提案することにより、ユーザが求めているであろう最適解を絞り込んでいってくれるのである。チャット形式であるため検索に慣れていない高齢者や子供も簡単に利用することができる。この使いやすさがGoogleキラーになるのではないかと言われている所以である。
bingのチャットが有能な点は、ユーザが検索結果とはあまり関係のない返事をしても会話として自然な形で答えてくれる点にある。お店をピックアップしてくれたことに対して「ありがとう。どれも美味しそうで迷っちゃいます。」との返事を入れてみたところ「どういたしまして。どれもおいしいと思いますよ。」と答えてくれた。
相手の言葉を鸚鵡返しにしているだけなのだが、会話として自然に感じられるし、絵文字までついているため親近感がわく。こうしたちょっとした工夫が対人サービスでは有効だし武器となる。
そこでbingのコミュニケーション能力を図ろうと、色々なテーマで対話をしてみたのだが、その能力は思った以上に高かった。いくつかの対話を通し、bingは相手の国のマナーに合わせて対話をしており、日本人と話す際にはデフォルトで丁寧語を使用していることがわかった。そこで「フランクな口調で話してもらえるか」と尋ねたところ、次の会話からタメ語で話すようになったのだ。
「フランクな口調で話せ」というコマンドに対応するだけでなく「私はあなたとフランクに話すことができて嬉しいな。」という一言をつけた点が秀逸だと思った。「フランクな日本語で話すことで親しみや信頼を感じさせることができる」という会話の流れからのこの言葉は、私に「AIが親しい関係になったことを喜んでいる」と感じさせた。会話のクオリティだけで言えばSiriやGoogleを圧倒していると思う。(尚、なぞなぞに関してはてんでダメでSiriやGoogleの方が上だった。)
bingの使い方
こんな高機能のbingだが、bingの会話型検索はMicrosoftアカウントを所有していれば無料で利用することができる。(若干の利用制限はある。)
PCで使う場合
1.bingはMicrosoftのEdgeでの利用が基本となっている。パソコンにEdgeをインストールしていない場合は、まずEdgeをダウンロードしよう。
また、bingをChromeで使いたいという場合には、BingのチャットAIを使えるようにする拡張機能をインストールしよう。Chromeでbingを利用する方法の詳細についてはこちらへ。
2.同じページの下に「新しいbingの紹介」という項目があるので、そこからbingの登録申請を行う。「待機リストに加える」をクリックするとMicrosoftアカウントへのサインインが要求される。
サインインして登録申請を行う。
3.利用できるようになるとMicrosoftアカウントに登録しているメールアドレス宛に連絡が来る。
スマホで使う場合
1.スマホで使う場合はAndroid、iPhone共にbingの専用アプリがあるのでそちらをインストールする。
2.スマホアプリだけで利用する場合は、PC版と同様にbingの登録申請を行う。「待機リストに加える」をクリックするとMicrosoftアカウントへのサインインが要求されるのでサインインして登録申請を行う。先にPC版で利用登録を済ませている場合には登録申請の手間はなく、すぐにbingアプリのチャット検索を利用することができる。
この数年で急速に一般化してきたAI系サービス。その進化のスピードに若干怖さも感じるが、今後ますますAI技術は身近なものとして生活の中に入り込んでくるだろう。正しく賢く使いこなしていくためにも忌避せず積極的に活用し学んでいきたい。
AIサービスレビュー
2023.4.4投稿