土曜日の午後、2階で洗濯物を取り入れていると「ドテッ！」と何かが落ちた音がした。変な音だったので何が落ちたのかと気になって見に行くと、床に赤い魚が落ちている。一瞬「何でこんなところにイカ釣り用の擬似餌が落ちてるんだろう？」と不思議に思ったが目の前の水槽が空っぽなのを見て、ようやくブチちゃんが水槽からとび出したのだと理解し悲鳴をあげた。水の外でチーンとのびている金魚は思った以上に大きく、ブチちゃんだと認識することができなかったのだ。

すぐ拾い上げて水に戻したが、全く動かず沈んでしまう。外に出ていたのは30秒くらいだったと思うが厳しいだろうか。祈るような気持ちで見守っているとぴくぴくとエラが動き始める。呼吸はできているようだがひっくり返ったままだ。このまま弱って死んでしまうのだろうか…と落ち込んでいたら、急にぐりんと回転して体勢を立て直し、何事もなかったように泳ぎ始めた。落下の衝撃で脳震盪を起こしていただけのようだ。結構な高さから落ちたのにノーダメージとは…。早く気がついて水に戻すことができたのが良かったのかもしれない。

ブチちゃんと一緒にすくった子（オグロちゃん）はジャンピングが原因で亡くなってしまった。気をつけていたのにまた同じ失敗をするところだった。水位も気をつけていたのだが、この子は思った以上にジャンプ力があるようだ。（速攻水位を下げた。）

そして日曜日の朝。すっかり朝寝してしまったなあと階段を降りていく途中で「テチッ！」と何かが落ちる音がした。いやまさかね…と慌てて下へ行くと「またやっちまったよ。すまねえ。」という感じでこちらを見ているブチちゃんと目があった。水位を下げて蓋をしていたにも関わらず、ほんの数センチの隙間（餌をあげる用の隙間）から飛び出してしまったようだ。よく狙って飛び出しましたね…という感じ。今度は落ちて10秒くらいで水に戻したのですぐに泳ぎ始めた。

ただ落下の衝撃で浮き袋の調子がおかしくなってしまったようで、水面に浮き上がることができず地面を這うような泳ぎ方をするようになってしまった。これでは今使っている浮くタイプの餌を食べることができない。速攻Amazonで沈下性の餌を購入したが、届くのは明日だ。

そこでお麩を水で戻し、石にくくりつけて沈めてみたところ、這うように寄ってきてものすごい勢いで食べ始めた。

食欲あるなら大丈夫そうだと一安心。早めに水槽の電気を消しストレスを与えないようにして一晩休ませた。すると、体力が回復して浮き袋の具合がよくなったらしく、翌朝にはいつも通り元気に泳ぎ始めた。浮遊性の餌も水面までのぼってパクパクと食べる。頼んだ沈下性の餌は無駄になってしまったが、回復したのは何よりも嬉しい。

めちゃくちゃ丈夫な子で本当によかった。もし私がいないタイミングで飛び出したら一発アウトだったろうからタイミングもよかった。強靭な体力と強運をもった金魚ちゃんだ。でも次はないかもしれない。二度と飛び出さないよう、蓋の隙間をラップでカバーし、さらに水位を下げた。夫に頼んでピッタリサイズの蓋をアクリル板で作ってもらうことにする。

それにしてもなぜこんなに立て続けにジャンピングしたのだろうか。水換えをしたタイミングだったので水質が変わり活性化したという説が一番有効だが、寄生虫がついている場合もジャンピングするらしい。今後も続くようなら薬浴も考えなければならないが、今の所大人しく泳いでいる。（流石に懲りたのかな。）

追記:早速夫がアクリル版で蓋を作ってくれた。フィルターに合わせてカットし、ぴったりサイズで作ってくれたのでもう飛び出すことはないだろう。

あれー。天井ついてるーみたいな感じで水面を眺めるブチちゃん。

すっかり元気になったし、あれ以来ジャンピングもしなくなった。土日のあれは一体なんだったのか。