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一年

マロンが亡くなって今日で一年が過ぎた。まだ一年しか経っていないことが信じられないくらい、マロンと過ごした日々が遠い日のことに感じられる。家の中から徹底的に「マロンがいた痕跡」を消してきた私の努力の賜物だ。悲しいことだったが、正常な生活を取り戻すためにはそうするしかなかった。マロンのケージもヒーターも、フードを入れていた瓶も全部見えないところにしまった。マロンが使っていたタオルやシーツ、そしてマロンが大好きだった毛玉だらけのフリースも捨ててしまった。とにかく「もういない」と思ってしまうと涙が止まらなくなってしまうので、そう思うことのないよう、一旦家の中からマロンの痕跡を消そうと思った。

そう思う一方で、痕跡を絶対に消したくないと思っていたりもする。マロンの足跡が残るトイレ砂だけは、一年経った今でも捨てられないでいる。自分のことながら、心というものは矛盾だらけで複雑だなと思う。

マロンの死後、しばらく抑鬱状態に陥ってしまい自分でも戸惑った。家族のサポートのおかげでなんとか立ち直りつつあった頃、新型コロナウィルスの影響で休校やら夫の在宅勤務が始まり、我が家の生活スタイルが大きく変わった。かつて私の癒しの時間であった「マロンタイム」は、在宅勤務の夫と朝食を食べる時間に置き換わった。新しい生活リズムが生まれたことにより、マロン不在の穴は塞がれた。

しかし悲しみが癒えた訳ではない。それが証拠に、未だにマロンの元気な頃の動画を見ることはできないし、自分が書いてきたマロンのブログも読み返すことができない。

マロンが「もういない」ことを受け入れ、マロンと過ごした楽しい時間を心穏やかに思い出せるようになって初めて、悲しみが癒えたと言えるのだろう。そうなるまでにはまだしばらく時間がかかりそうだが、焦らず気長に待とうと思う。自分自身に対しても寛容であっていい。マロンとの別れで私が学んだことだ。

2021.1.6投稿

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