最近面白いと思える雑誌がないため、全くといっていいほど雑誌を買わなくなってしまった私に、夫が「こんなのはどう？」と勧めてくれた「暮しの手帖」。わりと歴史がある雑誌なので名前は聞いたことがあったのだが、何と無くおばあちゃん世代が読む雑誌だと勝手に思い込んでいた。まあせっかく勧めてくれたし、唐揚げとおにぎり弁当の特集もあるみたいだし…とお付き合い的な気持ちで買ってみたのだが、これがなかなか良かった。

まず煩わしい広告が一切ない。主婦向け雑誌や女性ファッション誌の多くは中身の半分近くを広告が占めているのだが、潔いほど一切広告がない。煩わしい広告がないため、誌面の構図もすっきりしていて読みやすいし、写真も引き立っている。そして何より文章が美しいと思った。読者の投稿内容も質が高く、読んでいて為になる、と感じるものが多かった。

着回しコーデや流行りの雑貨等の情報は、一度読んだらもういいやと思ってしまうし、夫への愚痴や子育てのあるある的な読者投稿も、暇つぶしに読む分には面白いが、繰り返し読もうとか何かを得られるというような感覚はない。でも暮しの手帖に書かれている美味しい唐揚げを作る為のひと手間とか、ナポリタンを作る時のちょっとしたコツとか、子育てを終えた世代の方の経験談や思い出話は、繰り返し読めるし、得るものもある。対象としている世代は少し上なのかもしれないが、丁寧に作られた美しい雑誌だと思った。