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パンやのくまさん

『パンやのくまさん』(福音館書店)

ジャケ買いならぬ、表紙買いした絵本の一つだ。テデイベアのようなくまさんが、白いコック帽を頭にのせて、パン屋の前を掃除しようと店からでてきた。そこに郵便屋さんが通りかかり、にこやかにくまさんに話しかけている。優しいタッチで描かれたその温かいその一コマの絵に惹かれ、思わず手にとった。

物語は、タイトルの通り、パン屋のくまさんの一日を描いたものだ。朝早く起きてパンの仕込みをし、車で売りにいく。「がらん、がらん、がらん!」と鐘を鳴らすと近所の人たちが買いにくる。移動販売が終わると今度は、お店番だ。礼儀正しく挨拶をし、子供達には特別にキャンディをくれるくまさんはみんなに好かれている。店を閉めた後はお金を数えて、夕飯を食べ、明日に備えて寝てしまう。

シンプルで、特に緩急のないストーリーなのだが、かわいらしいくまさんの絵と共に描かれているためか、2歳ごろからずっとななちのお気に入りだ。「3時だから、キャンディくれたんだね!」「あ、ここにもらったゼリーがある!」と細かい部分にツッコミを入れるななちに、子供は思っている以上に絵を見ているのだなあと感じた。

2012.11.28投稿

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