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映画『ヒプノシスマイク』参戦

ななちと一緒に映画『ヒプノシスマイク』を観に行ってきた。

『ヒプノシスマイク』は、18人のキャラクターが3人1組の6つのチームに分かれてラップバトルを繰り広げる音声ドラマである。キングレコードが手がける「音楽原作キャラクターラッププロジェクト」で、2017年にスタートした音声ドラマをベースに、コミック、ゲームアプリ、舞台、アニメなどメディアミクス展開している。

音声ドラマもアニメも見ていなかったし、なんならななちがハマっていることすら知らなかった私が何故一緒に観に行ったかというと、この映画が「日本初の観客参加型映画」ということを聞いたからである。

投票結果でストーリー分岐

映画『ヒプノシスマイク』は物語の主軸がラップバトルであるという特性を活かし、ラップバトルの勝敗を観客が投票して決めるというインタラクティブ性を持たせた「観客参加型映画」となっている。投票は観客のスマホアプリを通じて上映中にリアルタイムで行われ、バトルの勝敗によりストーリが分岐・展開する。48通りの展開、7通りのエンディングがあるということで、ファン達は自分の希望する展開・エンディングを見るために複数回通うことになる。よくできた集金システムだ。2月公開でロングラン上映しているのも納得。

上映館選び

ファンであればまずは自分が応援するチームが優勝するエンディングが見たいと思う。そんな時に大切なのが上映館選びだ。各チームはそれぞれ「イケブクロ」「シンジュク」「シブヤ」「ヨコハマ」「ナゴヤ」「オオサカ」という区(ディビジョン)で活動しているという設定のため、池袋の映画館ではイケブクロのチーム「Buster Bros!!!」が優勝することが多いという傾向がある。さらに確実性を高めたい場合はそれぞれの上映館の投票状況を公開している映画の公式サイトのVOTING STATUSを見ると良いだろう。各上映館の「PAST RESULTS」というページを見ると、どのチームがどれくらいの割合で優勝しているかを見ることができる。

今回は私が長年推している声優・速水奨さんが率いるチームの優勝を見たい(そして速水さんのラップを聞きたい)ので、シンジュクのチーム「麻天狼」の勝率が高い新宿の上映館まで行ってきた。

館内には新宿のチームカラーであるグレーの服を着た人やスーツ姿(チーム内にサラリーマンとホストがいる)の人が多く集まっていた。年齢は思ったよりも幅広い。私たちのような親子連れも結構いた。

応援上映のため声出しオッケー、団扇オッケー、サイリウムオッケーということで雰囲気はさながらライブ会場。『バーフバリ』とはまた違った雰囲気だった。

世界設定

第三次世界大戦により人類は人口は約1/3を失う。滅亡を危惧いした権力者たちはディベートによる戦争回避を目指すが、武器による争いをやめることはできなかった。

そんな中、女性政党である言の葉(ことのは)党が人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」を使って国家転覆に成功。「中王区」に独裁政権を樹立した言の葉党は、殺傷能力のある武器を根絶させ、今後全ての争いはヒプノシスマイクを使ったラップバトルで行われることとなった。

武器が「ヒプノシスマイク」のみになった世界がどういうものかというと、強盗が人質にナイフの代わりにマイクをつきつけていたり、テロリストが爆弾の代わりに数十本のマイクを体に巻きつけていたりする世界である。映像化するとかなりシュールだ。初めて見た時はギャグシーンにしか見えなかったし、今でもギャグシーンにしか見えない。

演出のクセがつよい

キャラクターラッププロフェクトということで、ストーリーのメインはラップバトルなのだが、その演出がすごい。バトルの際、ヒプノシスマイクを起動すると、マイクが変形し、背後にスピーカーのヴィジョンが現れる。そのマイクとヴィションはジョジョのスタンドみたいな感じで、そのキャラクターの特性を表したものとなっている。(サラリーマンであるキャラクターのマイクは携帯の形、スピーカーはパソコンの形であったりする。)スタンドと違うところはそのヴィションは皆に見えるものであり、物理的なダメージを与えることが可能なことだ。この点はアニメの遊戯王やイナズマイレブンの方が近いかもしれない。なので、熱いラップバトルシーンのはずなのに映像的にはだいぶおもしろいことになっている。(心の中で、そうはならんやろ、なっとるやろがいが永遠に繰り返される。)

この感じ何かに似ている…そう、インド映画だ。突如ぶち込まれるダンスや過剰演出により、シリアスストーリーなのになんだか面白くなってしまって「イヤイヤ…」とツッコミながらもその違和感がクセになってしまう。

キャラクターのクセもつよい

登場する18人のキャラクター達もクセが強い。まず、山田三兄弟以外はキラキラネーム&難読漢字祭りである。「白膠木簓(ぬるで ささら)」はまだかわいい方で、「天国獄(あまぐに ひとや)」とか「四十物十四(あいもの じゅうし)」とか、一発で読ませる気ないだろみたいな名前が多い。(一応実際に苗字としても使われているらしいが…。)

名前だけでなく、キャラ設定も難解である。各キャラクターは職業ラッパーというわけではなく、刑事や弁護士、お笑い芸人などの職を持ち、社会生活を送っている。加えてそれぞれのキャラクターは暗く重たい過去があり、互いに因縁があり、それを乗り越えるためにラップバトルをしている。例えば、速水奨さん演じる神宮寺寂雷は、医学生時代に衛生兵として紛争地に赴き、その地で殺し屋を請け負っていたという過去を持つ35歳の勤務医…という設定だ。盛りすぎである。一人でお腹いっぱいになりそうだが、このボリュームのキャラクターが18人いる。さすが7年間続くコンテンツといったところか。映画を見る前に、人物関係図だけでも頭に入れておいた方が良いと思う。私はななちに薦められるままアニメ第一期とYoutube公開の音声ドラマを視聴してから参戦した。(まさか自分が布教される側になるとは思わなかった。)

ドキドキ投票タイム

投票には「CtrlMovie」というスマホアプリを使用する。事前にダウンロードしておくと良いだろう。メール登録だけで使用可能だが、機種変更時に視聴記録引き継ぎたい場合はアカウントを作る必要がある。

アプリを起動したまま映画を視聴。ラップバトル後、投票時間になると映画スクリーン上にQRコードが表示されるので「QRコードをスキャン」をタップし、よみとる。

投票はファーストバトルで3回、セカンドバトルで1回、ファイナルバトルで1回の合計5回行う。ファーストバトルでは、イケブクロとナゴヤ、オオサカとヨコハマ、シブヤとシンジュクが対戦する。(この組み合わせは固定。)それぞれ良いと思った方に投票する。選択は1度のみで変更不可。投票時間は10秒とごく短いので即決する必要がある。

セカンドバトルまで勝ち上がった3チームは新曲を披露することができる。それぞれの新曲&ミュージックビデオを聞き比べ、一番良いと思ったチーム一つを選んで投票する。今回は、イケブクロの「Three Kings」、オオサカの「笑門来福」、シンジュクの「BLESS YOU」を聞くことができた。
投票画面になったら応援しているチームをタップ。

私は速水さん率いるシンジュクの「麻天狼」に投票。

無事に決勝戦まで勝ち進み、ラスボス「中王区」との戦いまで進んだ。このバトルで勝った方が勝者となり、ファイナルステージで持ち曲を披露することができる。

館内には「中王区」のチームカラーであるピンクのリングライトを振って応援している人もいてちょっとドキドキしたが、無事にシンジュクが優勝!ファイナルステージでは「Shinjuku Style〜笑わすな〜」を聴くことができた。念願の速水さんのラップを堪能することができ満足。

「声優コレクションVol.2」の時から速水さんの歌を聴いているのですごく上手になっていてびっくりした。(ラップというより説法ぽくてちょっと面白いのも速水さんならではの魅力。)

アプリには「制覇したエインディングの数」「投票回数」「視聴特典の画像」などが記録される。通って集めたくなる要素盛りだくさんだ。

かなりクセつよの映画であったが、今まだにはない映画体験ができてとても楽しかった。大丈夫だろうとは思いつつも投票結果がでるまではドキドキしたし、優勝が発表された時は嬉しかった。観客がストーリー展開に関与できるというのは新しいと思う。次回はヨコハマの優勝シーンを見に行きたい。

追記:聖地ヨコハマへ

ヨコハマの優勝を見るため、Tジョイ横浜へ行ってきた。この映画館は上映開始からずっとヨコハマの優勝を守り続けているため、ヨコハマ聖地と呼ばれているらしい。ヨコハマのチーム「MAD TRIGGER CREW」のメンバーのパネルもあった。

セカンドバトルはナゴヤ、ヨコハマ、シブヤが勝ち上がったので、ナゴヤの「シンジルチカラ」、ヨコハマの「Choice is Yours」、シブヤの「バラの束」を聞くことができた。前回と合わせると6チーム全部の新曲を聴くことができた。(ラッキー!)

そして優勝は圧倒的な票数でヨコハマ。劇場のリングライトもヨコハマのカラーである青が大半をしめており、振りも整然揃っていてリピーターが多いことが伺えた。さすが聖地。

追記:総理生誕上映へ

現政権の総理(ラスボス的な存在)である東方天乙統女(とうほうてんおとめ)の誕生日に合わせ、TOHO日比谷のプレミアムシアターでの上映が行われたのでななちと行ってきた。日比谷は優勝はほぼ「中王区」で固定だが、どのチームが決勝まで勝ち上がるのかは予測がつきにくい「闇鍋館」と言われているとのこと。確かにリングライトは新宿(白多め)、横浜(青多め)と比べかなりカラフルだった。予測ができないので投票結果を待つまでのドキドキ感が一番大きかったと思う。この日、勝ち上がったのはシブヤであった。シブヤのチームには東方天乙統女の息子がいるので親子対決をさせたいというファンが多かったのではとのこと。(ななち談)

ファイナルバトルの前、東方天乙統女が登場するシーンでは映画と同じくらい盛大な拍手と歓声があがった。バトルが始まるとリングライトも一気にピンクが増え、堂々の優勝。「中王区」エンドもなかなかよいストーリーだったし、曲もすごくよかった。400人収納のシアターを満席にするだけの人気があるのも納得だ。さすが総理。

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2025.5.31投稿

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