おすすめ児童書:『ふたりはいつも』(文化出版局)

アーノルド・ローベル氏のがまくんとかえるくんのシリーズ第三弾『ふたりは いつも』の表紙には二人で仲良く雪だるまを作っているがまくんとかえるくんが描かれている。かえるくん達、冬眠するんじゃないの…?などと野暮なことを言ってはいけない。この絵本には、移りゆく季節の中でも、変わらず仲良く愉快に過ごしている二人の日常が描かれている。

一番最初の「そりすべり」は、かえるくんにたたき起こされ渋々そりすべりに付き合うことになったがまくんを通し、よくある「思い込み」の力を皮肉って描いている。続く「そこの かどまで」は、春を待ちきれずに「そこのかどまで」春を探しにでかけたかえるくんの子供時代の思い出話で、春らしいほっこりした気持ちにさせてくれる。夏の「アイスクリーム」ではがまくんが体をはって笑いを提供してくれ、秋の「おちば」は互いを想い合うがまくんとかえるくんの姿が心を温かくしてくれる。

そして最後の「クリスマス・イブ」は、なかなかパーティーに来ないかえるくんを心配するがまくんの杞憂を面白おかしく描いたお話である。しかし、フル装備でかえるくん捜索に飛び出すがまくんの姿を滑稽だと笑って終わりにしてはいけない。「きみと いっしょに クリスマスをすごせて とても うれしいよ」という一言に、この絵本のメッセージが込められている。大切な人と一緒に過ごす、何気ない日常生活が、どれほど貴重で幸せなことであるのか。小さくてゆかいな二匹のかえるは、私達に大切な事を思い出させてくれる。