『おばけのおつかい』(福音館書店)
全体的に大胆なくせに、意外にビビリなところもあるななちは、オバケが苦手だった。この絵本を買ったのは年少の頃。タイトルを見るなり「オバケのおはなし?」と後ろ向きな感じ。しかし、表紙の絵のオバケがかわいかったのと、手になにやらカブトムシのようなものを持っているのが気になったらしく、ページをめくり始めた。
表紙の裏にはオバケの町の地図がかかれている。くもの巣森に、お墓山、竹林にはからかさオバケが、海の灯台には海坊主が住んでいるそうだ。「おもしろそう!」とななちはすんなりオバケの町に入っていった。
森で大好物のクモの巣を集めに来ていたオバケの女の子さくぴーは、お母さんに頼まれ弟のたろぼうと一緒におばあちゃんのお家までお使いに行く。はじめてのお使いストーリーである。たろぼうが連れていたクモを落としてしまうというアクシデントがあったものの、無事にお使いを終えて帰ってきた二人は、今度はちょっと遠いむんぺーおじさんのお家までお使いに行く。お家を間違え怖い思いをしたものの、頑張ってお使いを終えた二人。家に帰ると、お母さんとお父さんがとってもおいしそう?なオバケ料理を作って待っていた。最後のページには今夜のオバケ料理の作り方が書いてある。毒キノコにホコリをまぶして栗のイガの衣をつけた「きのこのくつくんあげ」、まつぼっくりを泥水でこととこ煮て松ヤニをひとさじ加えた「松ぼっくりのコリコリ煮込み」。
毎回このページを開くたびに「うわ〜!!おいしくなさそう!!(笑)」と大笑いするななち。でもここまで丁寧に説明してあるとなんとなく作ってみたくなってしまうから不思議だ。この絵本のおかげでちょっとオバケも可愛いかも…と思えるようになったのか、紙皿や紙コップを使って色んなオバケを作るようになった。今ではすっかりオバケを克服し、マリオのテレサも大好きだ。(でもオバケ屋敷だけはまだ入れない。)
2013.10.3投稿