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『そらまめくんのベット』(福音館書店)

そらまめのおいしい季節になった。どちらかというと、そらまめは臭みが気になって苦手なのだが、農家の方にもらった採れたてのそらまめを食べた時は美味しいと思った。独特の臭みがなくななちも喜んで食べていた。我が家のお気に入りの食べ方はポタージュである。そらまめのふかふかのさやをむいていると、思い出すのが「そらまめくん」の絵本だ。

色々なシリーズが出ている「そらまめくん」シリーズの中で、ななちのお気に入りは「そらまめくんのベッド」だった。大切な宝物であるそらまめくんのベッド。みんなに貸してほしい言われても、大切すぎて貸すことができない。小さな子供が自分のお気に入りのおもちゃを貸せないのと同じ心理である。

ところが、ある日その大切なベッドが無くなってしまい、そらまめくんは大慌て。最初は「かしてくれなかったばつさ」と冷ややかに見ていた友達も、だんだんそらまめくんがかわいそうになり、自分達のベッドを差し出してくれる。

ここがななちのお気に入りのページであった。私が「えだまくんのベッドは…」と読むと、ななちは高い小さな声で「ちいさい」と答え、「グリーンピースのきょうだいのベッドは…」というと裏声で「ほそ〜い」と答えていた。お友達のベッドの状態を声で言い表していたのである。ピーナッツくんのベットの時には「か・た・い」と顔まで固くして答えていたのが懐かしい。

やがてそらまめくんは、自分のベッドの上でうずらが卵を温めるているのを見つける。最初は自分のベッドのことばかりを気にいていたそらまめくんだが、様子を見守っているうちにたまごのことの方が気になり始め、ヒナがかえると自分のことのように大喜びする。この経験を通し、そらまめくんは、人に貸してあげる思いやりと、感謝されることの喜びを知る。
小さな子供が最初に学ぶ社交術「貸して」と「どうぞ」を子供目線でわかりやすく説明している絵本である。

2013.5.28投稿

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