『はらぺこあおむし』(偕成社)

エリッック・カールの「はらぺこあおむし」は、私が子供の頃大好きだった絵本だ。ストーリーはシンプルなものだが、コラージュがきれいで、あおむしが食べたものに穴があいている、という仕掛けが面白い。今でこそ色々な仕掛け絵本が出ているが、私が小さかった頃は珍しいものだったと思う。

ななちが生まれてすぐ買い、座れるようになった頃ぐらいから、膝の上にのせて読み聞かせていた。暴れてかじりついたりすることなく、ジッと絵を見つめていた。カラフルな色使いにひかれていたのかもしれない。 少し大きくなったら、今度は食べものに空いた穴から指を出しながら読んだ。最初は不思議そうに見ていただけだったが、そのうち自分の指をいれるようになった。もうちょっと大きくなって、青虫が蝶になることの意味が理解できるようになってからは、最後のページの「きれいな ちょうに なりました」の部分で本をヒラヒラさせて蝶を羽ばたかせて遊んだ。ななちは大喜びだった。成長に応じて見せ方や読み方を変えれば、長い間楽しむことができるというのも、この絵本の魅力であると思う。

幼稚園のお誕生会の出し物として「はらぺこあおむし」の大型絵本を友達と一緒に読むことになったななち。練習の時にななちが「最後のちょうちょのページの時に、みんなで本を持ち上げてヒラヒラさせよう!」とアイデアを出したのだと先生から聞いて、私はびっくりした。まだ随分小さかったのに、私がやっていたことを覚えていてくれたこと、そしてやってもらって嬉しかったことを友達にもしてあげようと思える子に成長したことがとても嬉しかった。

余談だが、実は現在の「はらぺこあおむし」は私が読んだものと微妙に絵が違うらしい。1989年に絵が描き換えられ、改訂新版となったのだ。 私が読んだものとどこが違うのだろう…。実物が残っていれば並べて比べてみたい。