『もけら もけら』(福音館書店)

カラフルのもやしのようなものが並んだ表紙、そしてタイトルは「もけら もけら」。一体どんな本なのだろうかとページを開くと、やっぱりカラフルなもやしみたいなのが並んでいて「もけら もけら でけ でけ」と書いてある。…確かに一つでかいやつがある。そしてまたページをめくると、今度は四角く角ばったもやしもどきが「ぱたら ぺたら」と並んでいる。次のページになると、もやしもどきは三角になって「ぴた ごら ぴた ごら」と並んでいる…。ページをめくる度、抽象的な絵と、その絵に微妙にあっているような擬音が表れる。なんとも不思議な世界である。

さらに不思議なことに、この絵本は2歳頃の子供達に大ウケなのである。ななちはもちろん、遊びに来る友達みんなが、一度は必ず手に取り、読んで欲しいと頼みに来た。そして、読んであげると大喜びでケラケラと笑う。みんなのお気に入りは「しゃばた しゃばた しゃばた ぱたさ」だった。また、「じょわらん じょわらん」のページは怖がる子が多かった。

作者はジャズ・ピアニストの山下洋輔氏とモダンアーティストの元永定正氏。カラフルで抽象的なイラストは小さな子どもの目をひき、リズミカルでどこか音楽的な擬音は子供たちを夢中にさせる。どんな意味やメッセージがあるのかと頭で考えてはいけない。これは純粋に目と耳で「感じる」絵本なのだと思う。