『まこちゃんのおたんじょうび』(こぐま社)
みっつのお誕生日を迎えたまこちゃんは、みんなからもらったお誕生日プレゼントを身につけて、歌いながらお散歩に出かける。
あかい ぼうしは おじいさん
あかい えりまき おばあさん
あかい てぶくろ おとうさん
あかい ブーツは おかあさん
まこちゃんは途中で、寒さに震えるひよこや、一人ぼっちのうさぎなど色々な困っている動物達に出会い、その度にもらったばかりのプレゼントを惜しげも無く貸して助ける。家に帰った時には片方のブーツしか残っていなかった…。テーマとしてはグリム童話の「星の金貨」に通じるものがあるが、グリム童話のような試練的な要素や悲壮感はなく、相手を思いやる純粋な気持ちだけが明るく描かれている。まこちゃんの優しさに対し、動物達は喜びと感謝の気持ちで応え、物語は温かいハッピーエンドを迎える。
にしまきかやこさんの絵本の魅力は、なんと言っても歌の詩のような、リズミカルな文章にある。ぜひ声に出して読み聞かせてあげて欲しい。
2013.1.29投稿