『ミルクこぼしちゃだめよ!』(ほるぷ社)
カラフルで明るいイラストが印象的で手に取ったこの絵本。よく見ると読書感想文の課題図書という帯がしてあった。絵本が読書感想文の課題図書になることもあるのかと気になったのと、ななちも読んでみたいというので購入してみた。
この絵本の舞台は西アフリカのニジェールの小さな村。この村に住む女の子ペンダが、山の上でヤギの世話をしているお父さんのところへミルクを届けに行く、というお話である。この村では、荷物を運ぶ時は頭の上に荷物をのせて歩く習慣があるので、ペンダも頭の上に大きなおわんをのせて、そこにミルクをいれて出発する。砂丘を通り、お祭りの雑踏をぬけ、川を渡り、山を登り…大きなおわんを頭にのせながら、ペンダはミルクを一滴もこぼさないでお父さんに届けるのだと必死に頑張って歩いていく。やっとのことでお父さんの所にたどり着き、おわんを手渡そうとした時、思いがけないアクシデントが起こるのだった。
お父さんのために頑張る女の子のちょっとドキドキする冒険とそれを見守るお父さんの大きな愛情を描いた、読む人の心を温かくしてくれる一冊だ。
著者はアフリカ在住の英国人作家。このお話の舞台となっているニジェールもよく訪れているとのこと。色鮮やかなイラストも英国人イラストレーターのもの。カラフルな衣装に身を包んだニジェールの人々をユニークで親しみやすいタッチで描いている。
2014.7.31投稿