不思議なおばあちゃん
今日は、高校時代の友達の婚約を祝うため上京。無謀にも新宿のヒルトンまで歩いていこうとしてしまった結果、新宿のビル街で迷ってしまった。「新宿駅から徒歩10分」とあったので、10分の距離ならいけるでしょ!と思い、昔のうろ覚えの記憶で歩き出してしまったのだが…失敗だった。地図の読めない私は、iPhoneのGoogleマップと市街地案内板を見比べてはひたすら頭をひねるばかり。これは一度駅に戻るしかないのか…(そもそももどれるのか…)と、途方に暮れていたところ、突然「どこへ行きたいんだい?お嬢さん」と声をかけられた。
お嬢さんという年齢ではないが、案内板の前でオロオロしている人間は私しかいなかったので、振り返ってみると、一人のおばあちゃんが立っていた。都会の金持ちマダムという感じではなく、ごく普通にうちの近所にも歩いていそうな、気の良さそうなおばあちゃんだったので、思わず「新宿のヒルトンっていうホテルを探しているんです!」とすがってしまった。するとおばあちゃんは、ぷっと笑い「それなら、ほら、目の前だよ。あのうねった建物がヒルトンだよ。」と教えてくれた。(どうやら方向は合っていたらしい。)そして「もうこの土地に300年くらい住んでいるからね、東京のことならどこでもわかる。」と得意そうに言い、「はい、気をつけて行ってらっしゃい。」と見送ってくれた。
無機質なビルが立ち並び、街行く人は、皆スマホをいじりながら忙しそうに歩いている。とても道を聞ける雰囲気じゃない中、親切にも声をかけ、道を教えてくれたおばあちゃんは、まさに救いの神だった。それにしても 300年て…。先祖代々住んでいるってことだろうか。もしかしたら、土地の神様?そんなことを思ってしまう、ちょっぴり不思議な体験だった。
久しぶりに再会した友達は、皆それぞれママだったり、キャリアウーマンだったりとライフスタイルは全然違っていたが、根っこの部分は高校時代と対して変わっておらず、高校時代の休み時間のような、懐かしく、そして楽しい時間を過ごすことができた。
ライフスタイルが異なると、当然、価値観なんかも違ってくるはずだが、そうしたものを超越するような変わらない部分があり、この歳になってもワイワイ楽しくやれる友達がいるということは本当にありがたいなあと思った。
そして、ヒルトンのビュッフェは質が高く、美味だった。デザート全種類制覇を目標にしていたのに、半分も達成できなかった。そんな部分にちょっぴり自分の老いを感じてしまった。(単におかずの食べ過ぎのせいかもしれないが。)
2015.1.31投稿