『たろうのおでかけ』(福音館書店)
お友達のまみちゃんに、お誕生日プレゼントを届けに行くことになったたろう。嬉しすぎてぴょこぴょこ跳ねて歩いたり、プレゼントのアイスクリームが溶けては大変と駆け出したりするたろうに、道ゆく大人が「だめ、だめ、だめ」と注意する。その都度たろうは「つまらない」と言いながらも素直に聞きいれ、お供の動物たちと一緒に無事にまみちゃんのお家にたどり着く。
急いでいる時でも、きちんと交通ルールを守らなければならない、ということを子供にわかりやすく伝えている絵本である。たろうがまみちゃんの家にいくまでの間、周囲の大人達がしっかりたろうを見守っている部分に、古き良き日本の風景を感じる。知らない子供に対しても、危ないことやいけないことをしていたらきちんと注意しなくてはならない、という大人へのメッセージも込められているのかもしれない。
4月に入学したら、ななちは登校班での通学となる。今のようにママと手をつないで通うことはない。学校が始まって、ななちの世界や行動範囲が広がっていくにつれ、親の目だけでは行き届かなくなっていくことだろう。核家族化が進んでいる今の時代だからこそ、地域ぐるみで子供達を見守り、育てていくことが大切なのかもしれない。
2013.3.6投稿