
江戸東京たてもの園へ
小金井公園内にある江戸東京たてもの園へ行ってきた。文化的価値のある歴史的建造物を移築・復元して展示している江戸東京博物館の分館である。
入場口にあるビジターセンターも復元建築物である。1940年に皇居前広場で行われた記念式典のために建設された式殿を移築したものとのこと。
敷地面積は約7ヘクタール。園内は西ゾーン・センターゾーン・東ゾーンの三つのエリアに分かれており、30の復元建築物が展示されている。
デ・ラランデ邸
到着したのがお昼すぎだったので(小金井遠い…)見学前に腹ごしらえ。西ゾーンにある復元建造物「デ・ラランデ邸」内のカフェへ行った。
明治43年頃、ドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデにより改築された3階建ての洋館で、一階の一部がカフェ「武蔵野茶房」として営業している。
食事メニューはカレーライスとハヤシライスのみ。(それぞれ1,760円)。カレーはスパイシーなビーフカレーで昔ながらの喫茶店の味という感じで美味しかった。夫の注文したハヤシライスはトマトベースの酸味の効いた味。デミグラス系でないハヤシライスでちょっと珍しかった。
三井八郎右衞門邸
見応えがあったのは、東京都指定有形文化財にもなっている三井八郎右衞門邸。
お客さんを招く1階フロアはテーブル&椅子&シャンデリアという洋風な造りで、内装もさすが財閥といった豪奢な感じだった。
一方、プライベートスペースである2階は畳ベースの和風建築となっていた。やはり日本人、ホッとするのは和室よね…。邸内の襖絵にはさまざまな種類の鳥が描かれており、欄間の意匠も鳥モチーフのものがあったりしたので鳥が好きだったのかもしれない。
前川國男邸
一番魅力的だったのが日本の近代建築の発展に貢献した建築家の前川國男邸。こちらも東京都指定有形文化財である。通りに面しているのは庭と自慢のリビング。自身のプロデュースも兼ねているだけあって映え重視の建て方だ。
ぐるっと回って入り口へ。
吹抜けのリビングは現代でもおしゃれに感じる和モダンなデザイン。見学している人からも「モデルルームみたい!」「ここに住みたい!」という声があがっていた。さすが建築家の私邸といったところだ。
この他にも、西ゾーンには江戸時代に建てられた古民家などがいくつか展示されていた。
子宝湯
足立区にあった昭和時代の銭湯。
湯船の背景には定番の富士山が描かれている。洗い場には「猿かに合戦」や「舌切りすずめ」「源平合戦の那須与一」、「牛若丸と弁慶」など昔話をモチーフにしたタイル画が飾られていた。
昭和初期の街並み
東ゾーンには看板建築など、昭和初期の建物が多く移築されていた。こちらは武居三省堂。現在の三省堂書店のルーツである。
創業当初は書道用品の卸をしていたらしい。
昭和初期の荒物屋さん。銅板片を組み合わせて模様を作っているおしゃれな外観。
今の人は荒物って言葉知らなかったりするのかな。
木造3階建ての昭和の乾物屋さん。間口に対して背が高いという看板建築のような形態の建物。
こういう商店、小田原にはまだ現役でありそうな気がする。
神田の万世橋のたもとにあった交番。レンガ造の建物をどうやって移築…?と思ったらまるごとトレーラーで運んだらしい。
昼過ぎから夕方までほぼ半日過ごしたが全てを見るには時間が足りなかった。後半はかなり駆け足での見学となってしまったが、とても有意義な時間が過ごせた。このボリュームで観覧料400円(中学生まで無料)はすごい。
公園内の展示物はほとんどポータルとなっているのでイン活もはかどった。(UCPいっぱいとれた!)
2025.5.28投稿