
士郎正宗の世界展へ行ってきた
世田谷文学館で開催している『士郎正宗の世界展〜「攻殻機動隊」と創造の軌跡〜』へ行ってきた。
私たち世代のSFファンなら知らない人はいない押井守監督のSFアニメーション『攻殻機動隊』、その原作者が士郎正宗氏である。
ハードボイルドな押井守監督のアニメーションと異なり、原作の漫画はわりとポップで、ギャグシーンではデフォルメ化するなどの表現もある。少佐もアニメ版はクールな大人の女性という感じだが、漫画だとパワー型小娘といった感じだ。アニメから入った人はその作風の違いにびっくりするかもしれない。(私もびっくりした。)
会場に入ってすぐのところにある活動年表。年表上部に黄色の文字で解説が記載されているのがまさに士郎政宗氏という感じで良い。(士郎政宗氏の漫画には欄外にこれでもかというほど脚注解説が記載されている。)
会場には「攻殻機動隊」のアナログ原稿などがずらりと並んでいた。圧巻ッ!
原稿がきれいなのは下書きを直接なぞらず、下書きの上に清書用の紙をのせて透かしてなぞって描いてたためである。消しゴムをかけて紙が痛むのを避けるために考え出した方法らしいが、結果的に現在のデジタル作画とほぼ同じ手法になっているのがさすがだと思った。
カラー原稿も必見。この光学迷彩の表現をアナログで描くなんてすごすぎる。
士郎正宗氏の蔵書やアナログ時代に使用していた愛用の道具たちも展示されていた。ここでも一つ一つの道具に細かい説明が記載されている。
攻殻機動隊以外の作品も数多く展示されていた。こちらはデビュー作の『APPLE SEED』。2004年に映画が公開され観に行った。世界中の音楽クリエイターがこの映画に楽曲提供しており、海外での士郎政宗氏の人気ってすごいのだなと驚いた。この豪華なサウンドトラックCDは長年私の作業用BGMとなっている。
ファンタジー色の強い『仙術攻殻ORION』。未読だが士郎政宗氏が一番好き勝手に楽しく描いた作品らしいので読んでみたくなった。
アーティストコラボ作品も数多く寄せられていた。こちらはCLANPによる「仙術攻殻オリオン&攻殻機動隊」のイラスト。
その他にもわちゃわちゃかわいいタチコマパネルや
少佐なりきり撮影スポットなどもあった。
出口には士郎正宗氏作品の集合イラスト。実に内容の濃い展示会だった。
来年、新作TVアニメーションとして「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」がスタートする。今回の少佐は絵柄がかなり原作寄りなのでもしかしたらパワー系小娘の少佐の活躍がみられるかもしれない。今から楽しみだ。
2025.4.29投稿