『スプーンおばさんのぼうけん』(学習研究社)
私が子供のころテレビで放映していた「スプーンおばさん」が、最近夕方に再放送されていると知り、録画してななちと見ている。オープニングソングもエンディングソングも記憶の通りで、懐かしい。ななちに、多分図書館に原作の絵本があるから探してごらん、といったら早速図書館で『小さなスプーンおばさん』を見つけてを借りてきて読んでいた。
続編があるらしいけど、図書館にはないみたい…というので、続編『スプーンおばさんのぼうけん』を購入。池で水泳の練習をしたり、近所の男の子や女の子のために一肌ぬいだり、スキーの大会に出たりと、小さくなったおばさんは前作以上にアクティブに冒険をする。
突然ティースプーンくらいに小さくなってしまうという特異体質にも関わらず、おばさんはそれをすんなり受け入れ、動じず、その状況でできる限りのことをしようとする。しかも、そこに必死さはない。このどっしりと構えた安定感は、私の敬愛するムーミンママに通じるものがある。
スプーンおばさんの舞台も、ムーミンと同じく北欧…ヨーロッパ屈指の豪雪地帯である。昔、フィンランドに行った時、道端に停められた自動車が頭まで埋まっているのをみた。それも一台や二台ではない。どの車もこの雪じゃどうせ車走れないし…的なのりで置きっ放しになっているようだった。その大らかさにちょっと驚きつつも、なんかいいなあと感じた。
スプーンおばさんといい、ムーミンママといい、北欧の物語に出てくる女性は、どんなアクシデントが起こっても、動じたり、おろおろしたりせず、「あらあら」とその状況を受け入れ、マイペースに対応している。(そこに痺れるッ!憧れるッ!)冬場は雪に閉ざされてしまうような厳しい自然の中で暮らし、自然の力の偉大さと人間の力の限界を肌で感じているからからこそ、世の中何もかも思い通りにはいかないものだ…ということを悟っている、ということなのかもしれない。
2015.11.20投稿