『ちか100かいだてのいえ』(偕成社)
かかりつけの小児科に置いてあるななちのお気に入りの絵本に「100かいだてのいえ」というものがある。100階だての家に招待された男の子が、てっぺん目指して階段を登っていくという物語である。10階ごとに異なる動物が住んでいて、その動物達の暮らしぶりが楽しく描かれている。縦型の絵本で、ページをカレンダーのようにめくっていくことより、高さを表現している。
昨日出かけた時に、書店で同シリーズの「ちか100かいだてのいえ」を見つけた。地下室版もあるんだ!と二人で驚いた。しかもこちらは主役は女の子である。ななちも私も興味津々、お誕生日だし…という訳でお買い上げ。
お風呂好きのクウちゃんが、お風呂に入っていると、突然声がして地下100階でパーティーがあるから遊びにこないかと誘われる。誘われるまま、クウちゃんは入り口があるとう火山のふもとまで出かけて行く。「なぜお風呂?しかも火山??」という疑問は最後まで読むと理解できる。
地下のお家なので、セミの幼虫や、ダンゴムシ、アリ、ミミズ…などななちの大好きな虫たちが中心である。みんな、今日のパーティに備えてケーキを作ったり、プレゼントをつくったりと大忙し。クウちゃんはそれを手伝ったり、子供達と一緒に遊んだりしながら地下100階まで降りて行く。地下100階に着くと、盛大なパーティの準備ができていた。なんと今日はここの住人の100歳のお誕生日パーティーだったのである。思いがけず、お誕生日絵本だったので二人で驚いた。
今まで登場してきた虫や動物達が大集合し、お祝いする。「あのページで出てきたネックレスだ!」「ダンゴムシが作っていた草団子がここにある!」と細かく描きこまれた絵をななちは楽しんでいた。
地下100階からまた階段を上って帰るのは大変だな…と思っていたら、思いがけない方法で一気に上るというオチもいい。地下100階に誰が住んでいて、どうやって帰るのか…気になる方はぜひ一読していただきたい。
2013.7.25投稿