おすすめ絵本:『うさこちゃんとどうぶつえん』(福音館書店)



2歳ごろ、ななちがはまっていたのが福音館の「うさこちゃん」シリーズだ。中でもお気に入りは「うさこちゃんとどうぶつえん」だった。パパと二人きりで電車に乗って、動物園に行く、というデート設定に自分を重ねていたのかもしれない。パパのセリフを、パパっぽく低い声で読んであげるととても喜んでいた。

「うさこちゃん」シリーズは、その内容によって1歳から4歳までの4段階に分かれているが、この「うさこちゃんとどうぶつえん」は1歳からの一番やさしいシリーズだ。ブルーナ・カラーと呼ばれる、オレンジ、青、黄、緑、そして白と黒の6色で描かれたシンプルな動物たちの絵に、1ページ四行の短い文章。親にも子にもとりかかりやすい絵本だと思うので、読み聞かせを始めたいと思っている親子におすすめしたい。

ところで、この「うさこちゃん」は、なぜファンシーショップなどでは「ミッフィー」として売られているだろうか。実は出版社の権利に関係するものらしい。

福音館から出ている絵本では「うさこちゃん」、講談社から出ているものでは「ミッフィー」と表現されている。この「ミッフィー」という呼び名は、英語版に訳された時につけられた名前であり、原作のオランダ版では「ネインチェ・プラウス」と呼ばれている。ネインチェは「うさちゃん」、プラウスは「ふわふわ」という意味だそうだ。つまり、福音館から出されているものは、オランダ語の原作をベースにしたもの、講談社から出されているものはオランダ語を英語に翻訳したものをベースにしている、ということになる。なかなか奥が深い。 ちなみにアリスおばさんは福音館版では、「ふんわりふわこさん」、スナッフィーは「くんくん」という名前になっている。(なんとも柔らかく、かわいい名前だ。)

絵本としての発行部数は福音館が圧倒しているが、講談社の持つ販路の大きさと媒体の多様さ、そしてキャラクターグッズ販売への展開などにより、世の中的には「ミッフィー」の呼び名の方が浸透していると思われる。

たくさんキャラクターグッズも出ているので、グッズなどで事前に親しみを持たせておいてから絵本を読むと、子供もすんなり絵本の世界に入ることができる。だが、ある程度大きくなると必ず「ミッフィーとうさこちゃんは違うの?」という疑問にぶつかることだろう。その時、この微妙な大人の事情を説明するのがなかなか難しい。(ちなみにうちでは、日本語と英語で呼び方が違うみたいという説明しておいた。)