『たんじょうび』(福音館書店)

今年の誕生日絵本として選んだのがこの「たんじょうび」である。一年生くらいの子が自分で読むのにちょうどよいボリュームの絵本だと思う。

大好きなリゼッテおばあさんの76歳のお誕生日を祝おうと、動物達が奮闘する物語である。仕切り屋の犬のベロ、マイペースな猫のマウリとルリの3人が中心となり、庭のにわとりやうさぎ、やぎも巻き込んでお祝いの準備をする。焦げたケーキに砂糖をふりかけてごまかしたりと、そのドタバタぶりが面白い。最後に素敵なサプライズもあり、とても心温まる物語である。

ケーキがやけたら、ね』(評論社)

店頭で見かけ、表紙の絵の可愛らしさに惹かれて、3年前のななちのお誕生日に購入した。

「きょうは あたしの たんじょうび。これから ケーキを やくのよ。」と始まるこの物語。主役はお誕生日ケーキを自分で作ってしまおうというちょっとおしゃまな女の子である。「たまごがいるんだけどな。」とにわとりさんにお願いしたり、「ケーキにかざるさくらんぼがほしいんだけど。」とおさるさんにお願いしたりと、お友達の動物たちに上手に協力してもらいながらケーキ作りを進めていく。

各ページの動物たちの表情がとても生き生きとしていて、可愛らしい。ストーリーも温かいが、やはりこの絵本の魅力は温かみのある絵にあると思う。

『ノンタンのたんじょうび』(偕成社)



子供の時によく読んでいたノンタンシリーズのお誕生日絵本。店頭で見かけて懐かしくなり、ななちの3歳の誕生日に買ってあげた。

今日は仲良しの友達がいつになくよそよそしい。何をしているの?と尋ねても「ないしょ、ないしょ。」と教えてくれない。好奇心旺盛なノンタンはこっそり皆いる家の中をのぞこうとするが、見つかって追い出されてしまう。仲間外れにするならもう遊ばないと悪態をついたものの、本当は寂しくてたまらないノンタン。「つまんないの…。」丘の上に一人で膝を抱える姿が切ない。子供ながら「ノンタン、違うんだよ!」「あーもう、みんな早く教えてあげればいいのに…。」とジリジリした記憶がある。そして、ななちもやはり同じようにジリジリしていた。

友達が迎えに来て、家に帰るとそこには素敵なサプライズが。喜ぶノンタンを見てなんだかこちらまでホッとする。ストーリー的にはよくあるお誕生日サプライズ系のものだが、ノンタンの感情の変化に移入しやすい印象深い絵本である。

大人になって気がついたことだが、全ページに蜂さんが登場している。もしかしたら、ノンタンに寄り添う存在として描かれたものなのかもしれない。

『うさこちゃんのたんじょうび』(福音館書店)



こちらも比較的初期に購入したお誕生日絵本である。1歳ぐらいからななちが大好きだったうさこちゃんシリーズの「うさこちゃんのたんじょうび」。

うさこちゃんは早起きして、お気に入りの花柄のワンピースを着ておめかしをする。「きょうはあたしのうれしいひ」、つまりお誕生日だからである。椅子にはワンピースと同じ花が飾られ、家族と友達みんながお祝いに来てくれた。うさこちゃんの宝物として度々登場するくまのぬいぐるみも、この日おじいさんとおばあさんからもらったものだ。お話の最後、寝る前にお母さんにちゃんとお祝いしてくれたことを感謝するうさこちゃんがとても微笑ましい。

子供にお誕生日は皆にとって特別な大切な日である、ということを伝えることのできる絵本だと思う。
ちなみに、うさこちゃんことミッフィーのお誕生日は1955年6月21日、今年で58歳になる。

『たんじょうび おめでとう』(こぐま社)



ななちの誕生日が近づいてきた。あれよあれよという間にななちは成長してしまい、気がつけばもうすぐ7歳。嬉しくもあり、少し寂しくもあり…。子供の成長は早いものだ。

そんな訳で、今月はお誕生日絵本レビュー強化月間。

比較的初期に購入したお誕生日絵本が、こぐまちゃんシリーズの「たんじょうび おめでとう」だ。タイトル通り、こぐまちゃんがお誕生日を迎えるお話だ。3歳になったこぐまちゃん、お兄ちゃんになったという自覚が芽生えたのか、朝は一人で起きて、歯磨きをする。服も着替えて「ぼく なんでも できるよ」と得意げだが、ボタンだけはまだかけられず、お母さんにかけてもらうところがかわいらしい。こぼしながらでも自分で食べて、お皿もお片づけ。三輪車に乗って公園にだっていけてしまう。誕生日がきたのだから、高い鉄棒だっできるかな…と挑戦し、「どすん」と落っこちて悔しがるこぐまちゃんに思わずくすりと笑ってしまう。お誕生日がきたから途端にお兄ちゃん、お姉ちゃんぶって背伸びするのは、子供によくあることである。とても微笑ましい姿だ。

お家に帰ると、お母さんがケーキを作ってくれ、お父さんからは大きなプレゼントをもらう。火のともった三本のろうそくの前に立つこぐまちゃんがなんとなく誇らしげに見える。最後のページを開くと、たくさんのプレゼントが描かれている。クレヨンや、電車のおもちゃ、ダルマ落とし…。中にはお化けや卵の殻など「なんで?」と突っ込みたくなるものも混ざっていて、ななちは「こんなのもあるよ〜。」と指をさしては笑っていた。

いつの間にか、こぐまちゃんよりすっかり大きなお姉ちゃんになったななち。もちろん着替えも、歯磨きも、後片付けもできる。自転車にも乗れるし、鉄棒だって得意だ。ただ、一点…こぐまちゃんにかなわないのは、朝一人で起きられないことだ。夫に似て熟睡タイプなのか、目覚ましがどんなに鳴っても自分で起きてこない。土日は無駄に早起き(6時から一人で起きている。)なのに。不思議だ。

『まこちゃんのおたんじょうび』(こぐま社)



みっつのお誕生日を迎えたまこちゃんは、みんなからもらったお誕生日プレゼントを身につけて、歌いながらお散歩に出かける。

あかい ぼうしは おじいさん

あかい えりまき おばあさん

あかい てぶくろ おとうさん

あかい ブーツは おかあさん

まこちゃんは途中で、寒さに震えるひよこや、一人ぼっちのうさぎなど色々な困っている動物達に出会い、その度にもらったばかりのプレゼントを惜しげも無く貸して助ける。家に帰った時には片方のブーツしか残っていなかった…。テーマとしてはグリム童話の「星の金貨」に通じるものがあるが、グリム童話のような試練的な要素や悲壮感はなく、相手を思いやる純粋な気持ちだけが明るく描かれている。まこちゃんの優しさに対し、動物達は喜びと感謝の気持ちで応え、物語は温かいハッピーエンドを迎える。

にしまきかやこさんの絵本の魅力は、なんと言っても歌の詩のような、リズミカルな文章にある。ぜひ声に出して読み聞かせてあげて欲しい。