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偏食

人付き合い全般に関してあまりマメではない私の周りには、昔からランチや遊びを企画して誘ってくれるような社交的で面倒見のよい友人が多い。そしてそんな友人達のおかげで、無精者の私でも長年の友達付き合いができているのだと感謝している。

しかし大学時代からの友人(仮称:セントポーリア嬢)だけは別枠だ。彼女は私と同じくらい、友達付き合いに関してマメではないのだ。メールは年数回、電話なんて互いにしたこともない。それでも20年近く付き合いが続いているのは、おそらく人付き合いの距離感というか感覚(1年間音信不通であっても不義理ではない)が似ているためなのだと思う。

そんなセントポーリア嬢と、この前の土曜に日帰り温泉にでかけた。この一年に一度の温泉ランチが、彼女と近況報告しあえる唯一の時間である。とはいえ、互いにあまり自分のことは話さない。どちらも自分語りは苦手なのだ。お料理上手の彼女と話すのは専ら料理のこと。我が家の冬の定番メニューとなったチーズフォンデュとラクレットも彼女から伝授してもらったものである。ちなみに今年はタプナードという黒オリーブがベースになったソースを教えてもらった。

人付き合いがマメでない、自己開示しない、在宅で仕事、料理好き、と共通する部分の多い彼女であるが、一つだけ真逆のところがある。彼女は米を食べないのだ。白米至上主義者の私からしてみれば、お米を食べないなんて人生損している!と思うのだが、彼女の方は色々なおかずを食べたいからこそ、ご飯でお腹を膨らますのが勿体無いという。学生時代からずっとこの「ご飯の要・不要について」をテーマに議論しているのだが、どちらも妥協せず結論は出ていない。

「毎日同じものを食べるなんて偏食の最たるものだ。」というのが今回の彼女からの意見であった。それに対して「いやいや、主食ってそういうもんでしょ!」というありきたりの反論しかできなかったので、今回は彼女の勝ちだな…なんて思っている。まあ、お互いに本気で論破しようとは思ってはおらず、その価値観の違いを面白がっているだけなのだが。

自分と似ているから付き合いやすい。一方で自分と全く違うから興味が湧いて惹かれる。人と人との付き合いってそういうものではないかなと思うのだが、最近は自分と違うもの、理解できないものは強く拒絶するという風潮が強くなっているような気がする。多様性を認めない社会は閉塞感があるし、進歩や発展も妨げられるのではないかと不安だ。

2018.2.6投稿

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