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ナマコをさばくッ!

先月肝転移が判明して以来、すっかり食欲が落ちて元気がなくなってしまった父。食べられそうなものを作っては実家に届けるくらいしかできないのがなんとももどかしいが、できることをするしかない。

そんな訳で最近は、何か元気がつきそうなものを…と意識して街を歩いている。先週、いつもの魚屋さんに行くと赤ナマコを売っているのを見かけた。そこには「ナマコのフコダインAがガンに効く!」との立て札がたてられている。

そういった健康食材系の情報は真偽不明のものが多いので全く信じていないが、ナマコが大好きだった祖母は病気知らずで長生きだったな…ということをふと思い出した。中華料理でも古くから高級食材として珍重されているし、なによりネタとしておもしろそうだ。珍しがって食べてくれるかもしれない。

そんな訳で三匹ほどお買い上げしてみた。毎週通っているため、顔を覚えてもらえたらしく、だいぶオマケしてもらった。持ち帰るのもかなり重たかったが、家に帰って出してみて、その大きさにびっくりした。

でかい。店で見た時はここまで大きいと感じなかった。(むしろ小ぶりな子を選んで買った。)家具屋で見たソファーを家に置いたら思った以上に大きかったといった感じだろうか。そして、色が赤くて、気持ち悪い。祖母がさばいていたナマコとだいぶ違う。

おそるおそる持ち上げると、ぐねんと動く。(絶叫)気持ち悪すぎる。素手で持ち上げるのは無理だと感じ、トングで挟んでまな板へおく。

1.両端を切り落とす

でろんとのびきっている状態ではとても切りにくいので、包丁の腹でぺちぺちと叩く。すると身を守るため硬くなるので、その状態で頭とお尻(どっちがどっちかよくわからないが要するに両端)を切り落とす。

ペチペチ刺激を与えるとでろんとのびたナマコがきゅーっと収縮して硬くなる。(その様子を見てまた絶叫。)しかし、弛緩しないうちに切らないとさばきにくくなるので、覚悟を決めて端を切りおとす。すると、ものすごい勢いで内臓が飛び出してきた。ナマコは襲われると自ら内臓を吐き出して敵を威嚇してそのすきに逃げるらしいが、まさにそんな勢いで「ドシャー!!」と、オレンジ色のそうめんみたいなやつが飛び出してきたのだ。その姿はまるで、トニオの料理を食べた億泰のよう。私もななちも大絶叫し、かなり精神的ダメージを食らい、心が折れそうになった。

しかし、「この内臓がこのわたといって珍味なのよ〜」という祖母の言葉を思い出し、とりあえずボウルに内臓をかき集めておく。祖母はナマコをしごき、このわたを出してそのままちゅーっと吸っていたが、このサイズではそれは不可能。というか精神的にそれは不可能。

2.身を切り開く

両はしを切り落としたら内臓を綺麗に取り除くため、裏返して切れ目をいれて開く。内臓なんてほとんどないのに、ものすごい勢いで収縮して開かせまいとする様子にまた絶叫。ナマコは内臓も自分で再生するし、多少切られても体を修復するそうだ。この恐ろしいまでの生命力…どうかジジに分けてくださいな…!!と必死に開くと、なんとなく見慣れた姿に。

ここまで処理できれば、脳が食材認定するのでどうとでも扱えるようになる。しかし、ここまでの処理がきつかった…という訳で、残り二つはななちにタッチ交代。水族館で大喜びでアメフラシと遊んでいるのだから、ナマコも大丈夫でしょ、と言ったら「でかすぎて気持ち悪い〜!」とぶうぶう言う。でも手際よくさばいていたので、我が娘ながら感心。

3.塩茹でする

今回は生食ではなくスープに入れるため、塩をまぶして滑りを軽くとったあと、塩茹でする。

茹でたら一気に縮んで椎茸サイズに!まさかこんなに縮んでしまうなんてびっくり。
一つはスープに入れてサンラータン風にしてみた。残り二つは干しナマコにしてみようと思い、天日干しに。

そして、ドバーっと出された内臓は、正直捨ててしまおうかとも思ったのだが、ななちが食べてみたいとしつこくせがむため、頑張って処理してこのわたのポン酢和えに。オレンジ色のそうめんみたいなやつは卵巣で「クチコ」というもので、こちらも珍味らしい。ポン酢和えにしたところ、確かに美味しかった。(そうめん状のいくらみたいな感じ。)

早速実家に持って行ってみたところ、父は大喜びしてくれ、おかわりまでしてくれた。ナマコパワーで少しでも元気がでてくれればよいのだが。

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2017.3.3投稿

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