おすすめ絵本:『しんせつなともだち』(福音館書店)



今年は年明け早々雪が降り、白銀のお正月となった…という訳で今年最初に紹介する絵本はある雪の日の一日を描いた「しんせつなともだち」である。

ある冬の日、うさぎは雪の中で二つのカブを見つける。一つは自分で食べ、もう一つは食べ物がなく困っているだろうと、友達のロバの家に届けに行くが、留守だったのでそっと置いて帰っていく。帰ってきたロバは、家に届けられたカブを見て驚いたが、食べ物がなく困っているだろうと、そのカブを友達の子ヤギの所へ届けに行く…。親切がぐるぐる巡り巡って、翌日うさぎが目を覚ますと、そのカブが枕元にあった、という物語である。

作者は中国の方…と書くと、ベースにあるのは共産主義の思想だと考える人もいるかもしれないが、個人的には、政治思想に関係なく、素敵な絵本だと思う。相手を思いやる気持ちは大切なことであり、一人一人が小さな思いやりを持つことで、皆が温かく、幸せな気持ちになることができる、ということを、子供にもわかりやすい形で伝えている。最近のご近所トラブルや暴行事件などのニュースを見るにつけ、お互いにもうちょっとだけ、思いやりを持つことができれば、事件を回避することができたのではないか…と思う。なかなか難しいことなのかもしれないが。

出てくる動物たちが、うさぎ、ロバ、子ヤギ、小鹿と渋めなのも面白い。(絵本にお馴染みのクマやキツネなどは、肉食動物であるため、話の展開上、出すことができなかったという理由かもしれないが…。)リアルで写実的に描かれているのに、マフラーやネックウォーマーをしているのも味がある。

日々忙しくしていると、ついつい自分中心に物事を考えてしまいがち(早く起きろ〜!洗濯終わった後に洗い物出すな〜!いいかげん年賀状出せ〜!etc..)になるが、相手の立場を思いやる気持ちは、常に持ち続けるようにしていきたい。(自戒)