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『クリスマスのまえのばん』(福音館書店)

今年のクリスマス絵本は『クリスマスのまえのばん』。1822年のクリスマス・イヴに、学者クレメント・C・ムーアが、子供たちを喜ばせようとして作った「セントニコラウスの訪れ」というタイトルの有名な物語詩である。私も遠い昔、読んだことがある絵本だ。このサンタクロースは赤い服を着ていないんだな…と不思議に思ったのを覚えている。確か、映画にもなっていたはずだ。

物語詩であるため、リズミカルな文体で子供でも読みやすい。加えてこの絵本は、挿絵がとてもよい。夜をイメージさせる深い青色を基調としていながら、とても温かみを感じる。子供達の幸せそうな寝顔に、ちょっとおどけたニコラウスの笑顔、そして色々なおもちゃ…。クリスマス・イヴのワクワクとした感じが伝わってきて、読んでいるだけで幸せな気持ちになる。

クリスマスの前の晩に紹介できなかったことが悔やまれるが…クリスマス絵本としては秀悦だと思うので、機会があったらぜひ手に取ってみてほしい。

2014.12.25投稿

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