窓を開けていると一日中セミの鳴き声がするようになると、本格的な夏がきたなあと思う。そして、本格的な虫とのバトルシーズン突入だ。網戸に蛾がはりついていたり、畑の野菜に尺取り虫がくっついていたり、外のゴミ箱の蓋を開けようとしたらナメクジをソフトタッチしてしまったり、乾燥機から洗濯物を取り出すとドライカメムシがころんとでてきたり…とにかくいろんな虫に遭遇する。自然豊かなこの地に越してきて丸6年。部屋を飛び回るコガネムシも、廊下でぴょんぴょん逃げ回るハエトリグモもなんとか捕まえて外に出せるくらい耐性はついてきたが、今日もなかなかに心を鍛えられることがあった。

お気に入りのTシャツを取り入れたたもうとした時、裾のところに何かがくっついている。手で軽く払ってみたが乾いた米粒みたいな感触のものが、思ったよりしっかりこびりついている。洗濯したてなのに何がついてるだろ？とじっくり見てみると、茶色っぽいツブツブが10粒ほどきれいに並んでついている。お米よりずっと小さいし、妙に規則正しく並んでいるし、大きさも均一。まるでなにかの卵みたいな…卵？

思いついてしまった瞬間、まるで任侠映画のヤクザみたいな野太い声で「なんじゃこりゃああああ！」と叫んでしまった。「きゃ〜！」とか「いや〜！」とか可愛らしい悲鳴が出ないあたりに自分の女子力の低さを感じる。

何者かが私の、買ったばかりの、お気に入りのTシャツに卵を産みつけたのである。色々ショックだったが、反射的に私は小さなツブツブをつぶさないように注意しながら爪で一つ一つこそぎ落とした。えらく動揺していたため、指で触るの気持ち悪いとか考える余裕はなかったし、ブログのネタに写メしようという機転も働かなかった。幸い卵は数の子くらいの硬さがあったので、潰れずにきれいにとれた。

頭に来たので犯人は誰だとネットで探し回った結果、カメムシだということが分かった。同じような目にあった人が結構いたのも驚いた。カメムシ、お前はなんでそんなに洗濯物が好きなんだ…。柔軟剤の香りに惹かれるのだろうか。これからはカメムシだけでなく、卵もくっついてないかチェックしなくては…。