おすすめ絵本:『かばくん』(こどものとも社)



動物園のかばくんの一日を描いた絵本である。物語は少年とかばくん、そして小さな亀の子の3人の穏やかでどこか詩的な会話形式で語られる。韻を踏んだ歌のような文章は、読んでいても聞いていても心地よい。

布目を生かした油絵独特のタッチで描かれたかばくんは、大きくてどっしりとしていて実に愛嬌がある。今にも「どら ちょっと みてこよう」というのんびりとした声が聞こえてきそうだ。見開き一面に描かれたキャベツを丸っと食べてしまうかばくんの大きな口を見て、ななちはいつも「おっき〜ね〜。かめくんも食べられちゃいそうだね〜。」と笑っていた。ページのはしに小さく描かれたギョッとした感じの亀の子が実にいい味を出している。

この絵本の著者の妹は、初代ムーミンの声優としても有名な女優の岸田今日子さんである。それを知った時から、私の中で、かばくんの声は岸田今日子さんの声のイメージになってしまった。